国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)が実施する公募事業に採択された、当社が事業化責任者として参加する研究開発課題「表情・音声・日常生活活動の定量化から精神症状の客観的評価をリアルタイムで届けるデバイスの開発」を進めています。現在、うつや認知症などの精神疾患診断はゴールドスタンダードとされる評価尺度を用いて行うのが一般的ですが、検査にかかる時間が長く(一回40分以上)、検査方法も多岐にわたります。当デバイスの導入によって検査時間の短縮、問診内容の客観的評価などのメリットが得られます。また、国内に400万人いるといわれるMCI(健常と認知症の中間状態)に対する早期診断や早期対応が可能になることで、認知症高齢者の生活支援やQOLの向上などを目指します。

精神疾患者数予測 約188万人

※ 出典:厚生労働省「最近の精神保健医療福祉施策の動向について(2015年)」
パートナー :
学校法人慶應義塾、株式会社アドバンスト・メディア、株式会社システムフレンド、セムコ・テクノ株式会社、ソフトバンク株式会社、日本マイクロソフト株式会社

精神疾患客観評価デバイスによって解決する課題

音声(テキスト)や画像などのデータを人工知能が解析し、精神疾患の重症度を客観的に評価することで、うつ病や認知症診断の短縮化や客観性の確保が期待できます。例えば、精神科領域の新医薬品の研究開発プロセスで、精神疾患の判断が客観的に行えるようになれば、治験の効率化や精度の向上が見込めます。あるいは、高齢者の運転免許更新時に認知症の有無を短時間で評価できれば、近年社会問題となっている高齢者の自動車事故を未然に防止するなどの対策が可能になります。

厚生労働省「最近の精神保健医療福祉施策の動向について(2015年)」によれば、日本国内には精神疾患者数が約188万人いると試算されています。また、厚生労働省「認知症施策の現状について」という資料によれば、認知症高齢者数は約462万人、さらに正常と認知症の中間の人「MCI」の推計人数は約400万人にのぼります。多数の方が精神疾患を抱えている、あるいはその恐れがあるのに対して、従来の医師による診断では対応しきれないことが予想されるため、当デバイスがこの社会課題の解決の一翼を担っていきます。

精神疾患客観評価デバイスの概要

日本医療研究開発機構(AMED)の「ICTを活用した診療支援技術研究開発プロジェクト」として採択され、「表情・音声・日常生活活動の定量化から精神症状の客観的評価をリアルタイムで届けるデバイスの開発」を目指しています。慶應義塾大学医学部の岸本泰士郎氏を研究代表者、参画企業を当社および株式会社アドバンスト・メディア、株式会社システムフレンド、セムコ・テクノ株式会社、ソフトバンク株式会社、日本マイクロソフト株式会社とする産学連携プロジェクトとして、2015年11月より始動しました。

精神科診断においては、従来のカテゴリー診断、DSM-5の新しいディメンジョン診断、米国NIMH主導のresearch domain criteria(RDoC)などがあり混沌としている状況で、精神科領域の治験が困難を極めており、一部の製薬企業が精神科領域から撤退を表明しているという危機意識からプロジェクトがスタートしました。

当デバイスの概要は研究開発中のため詳細は非公開ですが、例えば、医師と患者の会話を人工知能Concept Encoderが分析・評価し、うつ病や認知症の客観的評価をする研究などを進めています。

精神疾患客観評価デバイスの概要

今後の展開

Concept Encoderを搭載したPCサーバ等にマイクやカメラなどの各種センサーを接続したシステム構成にて、まず精神科病院や一般病院の精神科などの医療施設への導入を想定しています。

Concept Encoderとは

Concept Encoder(コンセプトエンコーダー)は、FRONTEOヘルスケアが開発した人工知能(AI)です。自由記述のテキストデータを大量に含むヘルスケア関連のビッグデータを、エビデンスに基づいて有効に解析・活用することができます。

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