[exam]人間ドックの検査説明:血液検査

基本検査項目 / 執筆 : FRONTEOヘルスケア

血液検査

血液を採取し、体の異常を調べます。

 

どういう検査?

血液中の成分の値から、貧血、糖尿病、高コレステロール血症、肝臓の異常、腎臓の異常などを調べます。

知っておきたい

受診当日の朝は食事は取らずに行かないと、正しい検査結果を得られない項目があります。受診する施設の指示に従いましょう。

 

血球系検査

赤血球 略語:RBC

血中に含まれる赤血球の量を表します。

  • 赤血球値が低い : さまざまな貧血が考えられます
  • 赤血球値が高い : 脱水・多血症などが考えられます
異常低値 要注意 基準範囲 要注意 異常高値
男性 ≦359 360~399 400~539 540~599 600≦
女性 ≦329 330~359 360~489 490~549 550≦

(単位:10⁴μL)

 

血色素(ヘモグロビン)  略語:Hb、Hbg

酸素と二酸化炭素の運搬を行うヘモグロビンの量です。

男性 女性
基準値(めやす) 13.1~17.5(g/dL) 11.3~15.2(g/dL)
  • ヘモグロビン値が低い : 鉄欠乏性貧血などが考えられます
  • ヘモグロビン値が高い : 脱水・多血症などが考えられます

 

ヘマトクリット 略語:HCT、Hct、Ht

一定量の血中に含まれる赤血球の容積の割合を示します。

男性 女性
基準値(めやす) 39.8~51.9% 33.4~44.9%
  • ヘマトクリット値が低い : 血液が薄いことを示します → 鉄欠乏性貧血などが考えられます
  • ヘマトクリット値が高い : 血液が濃いことを示します → 脱水・多血症などが考えられます

 

赤血球恒数(赤血球指数)

貧血の種類の診断に組み合わせて使います。

平均赤血球容積 略語:MCV

ヘマトクリット÷赤血球数

  • 赤血球の平均の大きさを示します

 

平均赤血球色素量 略語:MCH

ヘモグロビン量÷赤血球数

  • 赤血球1個に含まれるヘモグロビン量の平均値を示します

 

平均赤血球色素濃度 略語:MCHC

ヘモグロビン量÷ヘマトクリット

  • 一定量の血中に含まれるヘモグロビンの量を示します

 

平均赤血球容積
(MCV)
平均赤血球色素量
(MCH)
平均赤血球色素濃度
(MCHC)
基準値(めやす) 80~98fL 28~32pg 30~36%

赤血球恒数とおもな貧血の種類

赤血球恒数 考えられるおもな貧血の種類
MCV MCH MCHC
<基準値 <基準値 <基準値 鉄欠乏性貧血、慢性的な出血による貧血など
ほぼ基準値内 ほぼ基準値内 ほぼ基準値内 再生不良生貧血、溶血性貧血など
>基準値 >基準値 ほぼ基準値内 溶血性貧血、悪性貧血、葉酸欠乏性貧血など

 

白血球 略語:WBC

進入してきた細菌・ウイルスなどの異物から体を守る白血球が一定量の血液中に含まれる数を表します。

  • 白血球値が低い : ウイルス感染症・再生不良生貧血・抗菌薬や解熱鎮痛薬などの薬物の影響などが考えられます

白血球が減少すると感染症にかかりやすくなるため、注意が必要です。

  • 白血球値が高い : 侵入した異物に対するため、白血球が増えている可能性があります

炎症・細菌感染症・腫瘍・血液疾患などが考えられます。

異常 要注意 基準範囲 要注意 異常
≦2.5 2.6~3.1 3.2~8.5 8.6~8.9 9.0≦

(単位:10³μL)

 

血小板 略語:PLT

出血の際に血を固める役割を持つ血小板が一定量の血中に含まれている数を示します。

  • 血小板値が低い : 再生不良生貧血・肝硬変・突発性血小板減少性紫斑病・服用中の薬の影響などが考えられます
  • 血小板値が高い : 血小板血症・鉄欠乏性貧血などが考えられます
異常 要注意 基準範囲 要注意 異常
≦9.9 10.0~12.9 13.0~34.9 35.0~39.9 40.0≦

(単位:10⁴μL)

 

肝臓系検査

総タンパク 略語:TP

血中のタンパクの量を示します。肝機能・腎機能・栄養状態をみます。

肝機能や腎機能、栄養状態が悪くなると低下します。

  • 総タンパク値が低い : 肝機能障害・栄養不良・ネフローゼ症候群・がんなどが疑われます
  • 総タンパク値が高い : 多発性骨髄腫、慢性炎症、脱水・膠原病などが疑われます
異常 要注意 基準範囲 要注意 異常
5.9以下 6.0~6.4 6.5~8.0 8.1~9.0 9.1以上

(単位 g/dL)

 

アルブミン 略語:ALB、Al、Alb

血中に最も多く含まれているタンパクがアルブミンです、肝機能、栄養状態などをみます。

  • アルブミン値が低い : 肝臓障害、栄養不足、ネフローゼ症候群などが疑われます
基準範囲 要注意 異常
4.0≦ 3.6~3.9 ≦3.5

(単位 g/dL)

 

アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ 略語:AST(GOT)

アラニンアミノトランスフェラーゼ 略語:ALT(GPT)

どちらもアミノ基転移酵素の一種です。肝細胞に障害があるかないかを推定します。

肝臓のAST(GOT)は、心臓、筋肉、肝臓に、ALT(GPT)は肝臓に多く存在します。

  • AST・ALTの数値が高い : 急性肝炎・慢性肝炎・脂肪肝・肝臓がん・アルコール性肝炎などが疑われます

肝炎ではALTがASTより上昇し、肝硬変や肝がんではASTがALTより上昇するのが一般的といわれています。
ASTのみ上昇していれば、心筋梗塞などが疑われます。

基準範囲 要注意 異常
AST ≦30 31~50 51≦
ALT ≦30 31~50 51≦

(単位 U/L)

 

ガンマ トランスペプチダーゼ 略語:γ-GTP(GPT)

アミノ酸合成に必要なγ-GTPの血中濃度を示し、肝機能などの指標となります。

肝臓や胆道に異常があると、γ-GTPは上昇します。

  • γ-GTP値が高い : アルコール性肝障害、慢性肝炎、胆汁うっ滞、薬剤性肝障害などが疑われます
基準範囲 要注意 異常
≦50 51~100 101≦

(単位 U/L)

 

腎臓系検査

クレアチニン 略語:CRE、Cr

血中のクレアチニンの濃度を示し、腎機能の指標となります。

筋肉運動のエネルギーとなるクレアチンが代謝されたあとの老廃物で、腎臓から尿中に排泄されます。
筋肉量が多い男性のほうが女性に比べクレアチニンは多くなります。

  • クレアチニン値が低い : 腎機能の低下を示します
基準範囲 要注意 異常
男性 ≦1.00 1.01~1.29 1.30≦
女性 ≦0.70 0.71~0.99 1.00≦

(単位 ㎎/dL)

 

推算糸球体濾過量 略語:eGFR

血清クレアチニン値、年齢、性別から推算した腎機能がわかる指標です。

体の老廃物を尿へと排泄している腎臓が、どのくらいの排泄能力があるのかがわかる数値です。

基準範囲 要注意 異常
60.0≦ 50.0~59.9 ≦49.9

(単位 mL/分/1.73㎡) ※日本人間ドック学会の分類に準拠

 

痛風

尿酸 略語:UA

プリン体というタンパク質が代謝され残った物質が尿酸です。尿酸の産生と排泄のバランスをみます。

  • 尿酸値が高い : 尿酸値が7.0g/dLを超えると高尿酸血症といいます

高い状態が続くと、結晶として関節に蓄積していき、突然関節痛を起こします。これを痛風発作といいます。また、尿路結石も作られやすくなります。

要注意 基準範囲 要注意 異常
≦2.0 2.1~7.0 7.1~8.9 9.0≦

(単位 ㎎/dL)

 

脂質系検査

総コレステロール 略語:TC

血中に含まれるコレステロールの総称です。高ければ、動脈硬化に注意が必要です。

  • 総コレステロール値が高い :動脈硬化、脂質代謝異常、甲状腺機能低下症、家族性高コレステロール血症などが疑われます
  • 総コレステロール値が低い :栄養吸収障害、低βリポたんぱく血症、肝硬変などが疑われます
要注意 基準範囲 要注意 異常
≦139 140~199 200~259 260≦

(単位 ㎎/dL) ※日本人間ドック学会・健康保険組合連合会の基準値に準拠

 

HDLコレステロール 略語:HDL-C

善玉コレステロールと呼ばれるHDLコレステロールの濃度を示します。

HDLコレステロールは血中のコレステロールを回収して肝臓に届け、動脈硬化に予防的に働きます。

  • HDLコレステロール値が低い : 動脈硬化・脂質異常症が疑われます

HDLコレステロール値は運動量が少ないと低下することが知られています。

異常 要注意 基準範囲 異常
≦29 30~39 40~119 120≦

(単位 ㎎/dL) ※日本人間ドック学会・健康保険組合連合会の基準値に準拠

 

LDLコレステロール 略語:LDL-C

悪玉コレステロールとよばれるLDLコレステロールの血中濃度です。

LDLコレステロールは肝臓から全身へコレステロールを届ける役割を果たしているため、LDLコレステロールが多くなると血管壁に蓄積して動脈硬化が進行する恐れがあります。

異常 要注意 基準範囲 異常
≦59 60~119 120~179 180≦

(単位 ㎎/dL) ※日本人間ドック学会・健康保険組合連合会の基準値に準拠

 

中性脂肪(トリグリセリド) 略語:TG

血中の中性脂肪の濃度を示します。体内で使い切れなかったエネルギーが中性脂肪として蓄えられます。

中性脂肪は、糖質の食べ過ぎで上昇することが知られ、使い切れなかったエネルギーが中性脂肪として蓄えられすぎれば肥満や脂肪肝の原因にもなり、動脈硬化が進行する恐れもあります。

  • 中性脂肪が低い : 低βリポたんぱく血症・低栄養などが考えられます
  • 中性脂肪が高い : 糖質の摂り過ぎ・脂肪肝・動脈硬化・肥満などに気をつける必要があります
要注意 基準範囲 要注意 異常
≦29 30~149 150~399 400≦

(単位 ㎎/dL) ※日本人間ドック学会・健康保険組合連合会の基準値に準拠

 

脂質異常症の診断基準(日本動脈硬化学会)

現在、コレステロールの基準値の考え方は学会により異なっています。
動脈硬化の成因、治療、予防を研究する日本動脈硬化学会が発表している脂質異常症の基準は以下の通りです。
(※空腹時に採血したデータを使う)

悪玉コレステロール(LDLコレステロール) 140mg/dL以上
善玉コレステロール(HDLコレステロール) 40mg/dL未満
中性脂肪(トリグリセライド) 150mg/dL以上

 

糖代謝系検査

血糖値 略語:FPG

空腹時の血中のブドウ糖の濃度です。体のエネルギー源であるブドウ糖の代謝をみます。

血糖値が高い : 糖尿病・膵臓がん・ホルモンの異常などが疑われます

基準範囲 要注意 異常
≦99 100~125 126≦

(単位 ㎎/dL)

 

ヘモグロビン・エーワン・シー 略語:HbA1c(NGSP)

過去1~2ヶ月の血糖値の平均的な状態を表します。血糖値のコントロール状態がわかります。

空腹時血糖(FPG)が126mg/dL以上かつHbA1c6.5%以上であれば糖尿病と診断されます。

基準範囲 要注意 異常
≦5.5 5.6~6.4 6.5≦

(単位 %)

 

感染症系検査

C反応性タンパク 略語:CRP

一定量の血中に含まれるC反応性タンパクの量を測定した値です。体内の炎症をみる指標となります。

C反応性タンパク(CRP)は、体内に炎症が起きたり細胞が破壊されると数時間で上昇しはじめる成分で、この数値から急性の炎症や細胞の破壊の程度を知ることができます。

CRP値が高い : 細菌やウィルスの感染・炎症・がんなどの疑いがあります

基準範囲 要注意 異常
≦0.30 0.31~0.99 1.00≦

(単位 ㎎/dL)

 

血液検査:希望すれば受けられるオプション検査


出典:YOUR DOCK編集部(検査一覧に戻る