[exam]人間ドックの検査説明:認知症検査

オプション検査項目 / 執筆 : FRONTEOヘルスケア

認知症検査

脳の画像検査や認知機能テストを行い、認知症の存在や進行度を調べる検査です。

認知症は、「記憶力・計算力・文章を書くなどの働き(認知機能)が脳の障害によって慢性的に低下し、食事や入浴などの日常生活の自立ができない状態」です。認知症には様々な病型があり、日本で最も多いのはアルツハイマー型認知症です。病型により症状や対処・治療法が異なります。

 

早期発見、早期治療がポイント

認知症の前段階である「軽度認知障害 (MCI:Mild Cognitive Impairment)」は、「認知機能に軽度の障害があるが、日常生活の自立が保たれている状態」です。軽度認知障害の40〜50%の人が認知症になる可能性をもっていますが、早期に適切な治療を受ければ、発症を遅らせたり、防いだりすることができます。

 

認知症の検査とは?

認知症の診断は、認知機能テストや脳の画像検査によって行われます。また、血液検査だけで軽度認知障害の可能性などを調べることも可能です。

 

画像検査

脳の形や働きを調べ、認知症や軽度認知障害の可能性を調べます。

 

検査解説

認知症の場合、脳の形、血流や代謝などに異常が見られます。画像検査とは頭部を傷つけることなく、脳内部の情報を画像として取り出して診断する方法です。画像検査により認知症なのか軽度認知障害であるのか、また認知症の型が分かります。検査には様々な方法があり、医療施設によって受けられる検査は異なります。

 

CT検査(シーティー:コンピュータ断層撮影法)

認知症の検査で不可欠な画像検査の一つで、脳を輪切りにした画像(脳の断面図)から脳の各部分の形、血管のつまりや出血の有無を調べます。

X線が用いられるため放射線被曝があります。

 

MRI検査(エムアールアイ:磁気共鳴画像法)

CTと同様、脳の各部分の形、血管のつまりや出血の有無を調べます。脳の断面図が様々な角度から得られるため、CT検査より細かい検査ができます。

放射線被曝はありませんが、強力な磁石を用いるため、体にペースメーカーなどの金属が入っている人には適しません。

検査中の音が大きいため恐怖を感じることがあります。

 

SPECT検査(スペクト:単一光子放射断層撮影)

脳の血流量を調べることで、初期の認知症や軽度認知障害の発見が可能です。検査は、薬を注射して、ベッドに横たわった状態で行われます。検査前に特別な処置は必要なく、普段通りの食事や薬の服用で差し支えありません。

放射性物質を含んだ薬を体内に入れて検査をするため、CT検査よりは少ないですが、放射線被曝があります。

 

PET検査(ペット:陽電子放出断層撮影)

脳の血流量だけでなく、酸素やブドウ糖の代謝なども調べることができ、初期の認知症や軽度認知障害の発見が可能です。SPECTとは別の放射性物質を含んだ薬を体内に入れて検査が行われます。

CT検査よりは少ない放射線被曝があります。

 

認知機能テスト

医師からの質問に答えてもらい、認知機能が低下しているかどうかを調べます。

 

どういう検査?

医師から10個程度の質問がなされます。質問の答えに点数がつけられ、点数に応じて認知機能が病的に低下しているかどうか判断します。様々なテストがありますが、ミニメンタルテスト (MMSE: mini mental state examination)や改訂長谷川式知能評価スケールといったテストがよく用いられます。歩き方などの体の動きを調べることもあります。

異常なし 認知症の疑い
改訂長谷川式知能評価スケール 21点以上 20点以下
ミニメンタルテスト 24点以上 23点以下

*30点満点

 

認知症の血液検査

MCIスクリーニング検査

血液を調べることで、軽度認知障害(MCI)の危険性を調べます。

 

どういう検査?

アルツハイマー型認知症は、アミロイドβたんぱく質という老廃物が脳に少しずつ蓄積することで起こると考えられています。アミロイドβたんぱく質の蓄積に関係する3つのたんぱく質を調べることで、MCIの危険性を調べます。
危険性の度合いは4段階で表され、D判定の場合は専門家による詳細な検査と診断を受けることがすすめられます。

判定結果 MCIの危険性(度合い)
A なし
B
C 中程度
D 高い

APOE(アポイー)遺伝子検査

血液を調べることで、アルツハイマー型認知症の発生リスクを調べます。

 

どういう検査?

アポリポたんぱく質E(APOE)には、アルツハイマー型認知症の原因となるアミロイドβたんぱく質の蓄積を促進する働きがあります。このたんぱく質の設計図であるAPOE遺伝子の中でも、E4という型が他の型よりどのくらい多いかを調べることで、アルツハイマー型認知症の発生リスクが分かります。発生リスクが高い場合は、専門家による詳細な検査と診断を受けることがすすめられます。

 

検査のながれ

MCIスクリーニングとAPOE遺伝子の検査は、同時に受けることも可能です。検査は少量の採血のみです。一般的には検査結果が出る2〜3週間後に再度来院し、診断結果とそれに応じたアドバイスを医師から受けます。

 

認知症検査でわかるおもな病気

  • 軽度認知障害(MCI)
  • アルツハイマー型認知症
  • レビー小体型認知症
  • 脳血管型認知症ほか

出典:YOUR DOCK編集部(検査一覧に戻る