[exam]人間ドックの検査説明:ピロリ菌検査

オプション検査項目 / 執筆 : FRONTEOヘルスケア

(監修:芝大門 いまづクリニック院長 今津嘉宏)

ピロリ菌検査

胃の中にあり、胃がんや胃潰瘍などの原因となるピロリ菌の有無をチェックします。

 

どういう検査?

内視鏡検査などで胃炎や胃潰瘍などと診断されてからピロリ菌検査を実施します。健康保険の適用されたピロリ菌検査には、内視鏡を使い一部の組織を採取して行う方法と内視鏡を使わない方法があります。

  • 除菌に健康保険が適用されるケース

以下のケースでは、除菌に健康保険が適用されます。

  1. 内視鏡検査又は造影検査で胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の確定診断を受けた場合
  2. 内視鏡検査で胃炎の確定診断を受けた場合
  3. 胃MALT(胃粘膜関連リンパ組織型)リンパ腫である場合
  4. 特発性血小板減少性紫斑病である場合
  5. 早期胃がんに対する内視鏡的治療後である場合

上記に該当しない方でも検査を受けることができますが、全額自己負担となります。

 

内視鏡を使う方法

  • 切り取った組織にたまたまピロリ菌がいなかった場合に結果が陰性となるデメリットがあります。内視鏡による組織採取に約10分、検査結果が出るには迅速ウレアーゼ試験の場合20分~2時間、鏡検法では約3日、培養法では約7日を要します。

 

迅速ウレアーゼ試験

  • ピロリ菌が持っているウレアーゼという尿素を分解する酵素の活性を利用して調べる方法です。組織内にピロリ菌が存在していると液体は黄色からピンク色へ変化します。

 

鏡検法

  • 組織を染色して薄い標本を作り顕微鏡で観察してピロリ菌の存在を確認します。

 

培養法

  • 組織を培養して、ピロリ菌が増えるかどうかを調べます。

 

内視鏡を使わない方法

  • 非常に簡単で苦痛を伴うこともなく、正確でしかも迅速に検査結果がわかります。最も時間のかかる抗体測定検査で約3時間、便中抗原測定や尿素呼気試験は約10分以内に検査結果が判明します。

 

抗体測定

  • ピロリ菌に対する抗体の有無を血液や尿でチェックします。デメリットとして、ピロリ菌が体内から除かれても、抗体は数ヶ月間残っているため、除菌結果の判定には適していません。

 

便中抗原測定

  • 便を採取して、便中に排泄されたピロリ菌の有無を調べます。薬を飲む必要がなく、安全で簡単な検査方法です。

採便キット

 

尿素呼気試験

  • ピロリ菌がもつウレアーゼという酵素が尿素をアンモニアと二酸化炭素に分解する性質を利用します。初めに、標識された尿素の入った薬剤を飲み、呼気(吐く息)にある標識された二酸化炭素の濃度を調べます。菌がいる場合にはその濃度が高くなります。6種の検査方法の中で最も精度の高い診断法です。簡単に行えるため、除菌判定検査によく使われています。

呼気採取バック

 

各検査法の比較

内視鏡 検査法 検体 メリット デメリット 除菌前 除菌後
使用 迅速ウレアーゼ試験 粘膜 やや迅速 陰性の場合に菌がいるかいないかの判定が困難 適当 不適
鏡検法 組織診断も可能 やや適
培養法 高い特異性 やや適
不使用 抗体測定 血液、尿 簡便 除菌結果判定に使えない 適当 不適
便中抗原測定 便 簡便 特にない 適当
尿素呼気試験 呼気 最も高い精度 特にない

知っておきたい

ピロリ菌の除菌方法

  • 除菌治療には、胃酸を抑える薬と抗生物質2種類の組み合わせを朝夕2回、7日間飲みます。約1ヵ月後にピロリ菌の検査を行い、菌の有無を判定します。約7割の方がこの治療で除菌に成功しますが、菌が検出された場合は別の抗生物質に変えて再度治療を行います(二次除菌)。二次除菌により9割以上の方が除菌に成功します。

 

ピロリ菌除菌後について

  • 除菌後、徐々に胃がんの発症率が低下してゆく可能性があります。しかし、胃がんの発生が完全になくなるわけではありません。除菌後も1年に1回程度の内視鏡検査を行うことが薦められています。

 

ピロリ菌検査でわかるおもな病気

  • ヘリコバクター・ピロリ菌の感染の有無

出典:YOUR DOCK編集部(検査一覧に戻る