[exam]人間ドックの検査説明:胃がん検診

専門ドック / 執筆 : FRONTEOヘルスケア

(監修:芝大門 いまづクリニック院長 今津嘉宏)

胃がん検診

X線あるいは内視鏡などにより検査を行って胃がんを早期発見するための検査です。

 

どういう検査?

胃がんは40歳代後半以降になると、増えてくる病気です。男性では1,000人に1.3人、女性では0.6人が胃がんになるといわれています。

胃がんは早期の段階ではほとんど自覚症状がありません。胃がんにかかった人の60%は治癒し、早期胃がんでみつかった場合は、90%以上、治癒すると言われています。症状のない状態で胃がん検診を受け早期胃がんを発見すれば、ほとんどが治り、しかも軽い治療ですみます。

検査方法として、バリウムを飲む胃X線検査、内視鏡を口から入れる経口内視鏡検査、鼻から入れる経鼻内視鏡検査、カプセル型の小さな内視鏡を薬のように飲み込むカプセル内視鏡検査、胃がんのリスクを判定するABC検診などがあります。

  • 検査の組み合わせは各医療施設で異なりますので、内容を確認するようにしましょう。
  • 最近、胃がもたれる、ゲップが多い、脂っこいものが苦手になった、胸やけがひどい、空腹時にお腹が痛いなどの症状があれば、一度検査してみることをおすすめします。

胃カメラで見つかった病変

 

胃がん検診の料金相場

10,000〜20,000円

※実施施設と検査により異なります。

各検査の料金相場

胃X線検査 約10,000円
経口内視鏡検査 約10,000~15,000円
経鼻内視鏡検査 約10,000~15,000円
カプセル内視鏡検査 約100,000円
胃がんリスク検診(ABC検診) 約5,000円

 

各検査のメリット・デメリット

メリット デメリット
胃X線検査
  • バリウムを飲むだけで簡単に行える
  • X線検査での放射線被曝がある
  • バリウムによる便秘などの身体への負担がある
経口内視鏡
  • 消化管粘膜を詳細にしかも明瞭に観察できる
  • 異状と思われる組織を採取あるいは除去するなどの治療が可能
  • 喉の麻酔による不快感、喉への刺激による吐き気をもよおすことがある
  • 内視鏡により消化管粘膜を損傷する可能性がある
  • 検査中、会話ができない
経鼻内視鏡
  • 経口内視鏡に比べ喉の不快感や違和感はない
  • 検査中に会話ができる
  • 消化管粘膜が明瞭に観察できる
  • 異状と思われる組織の採取あるいは除去するなどの治療が可能
  • 内視鏡により消化管粘膜を損傷する可能性がある
カプセル内視鏡
  • 飲んでデータレコーダーを設置するだけで、検査が簡便にできる
  • 身体への負担が少ない
  • まれにカプセル内視鏡が排泄されず体内に「滞留」することがあり、その場合は内視鏡あるいは外科的処置により回収の必要がある
  • 特定の消化管粘膜を観察することや、組織の採取ができない
  • 検査費用が高い
ABC検診
  • 料金が安い
  • 血液の採取だけで簡便に調べられる
  • 身体への負担が少ない
  • ピロリ菌感染を発見できる
  • リスクの判定であるため、胃がんリスクが低いという結果でも、胃がんにかからないとは言えない

 

胃X線検査

造影剤としてバリウムを飲み、消化管の壁に密着させてX線撮影し、各消化管の壁の様子から異状の有無を検査する方法です。

検診の流れ

  1. 検査当日、朝食を摂ったり、ものを食べたりしてはいけません。
  2. 検査では初めに発泡剤、次にバリウムを飲みます。
  3. 検査台上でX線撮影します。
  4. 検査終了後に下剤を飲み、バリウムを排出します。
  5.  数日後に検査結果が送られてきます。

 

経口内視鏡検査(胃カメラ)

口から内視鏡を入れ、消化管の粘膜をモニターで観察しながら異状の有無を確かめます。

検診の流れ

  1. 検査当日、朝食を摂ったり、ものを食べたりしてはいけません。
  2. 検査では初めに胃の内部を綺麗にする消泡剤を飲み、痛みを和らげるため、喉をシロップ剤やスプレー剤で麻酔します。
  3. 内視鏡を挿入し、検査を実施します。
  4. 検査中に異状部位があった場合は組織を採取することがあります。
  5. 検査中や終了後に結果を知ることができます。

 

経鼻内視鏡検査

鼻の内部から内視鏡を入れ、消化管の粘膜をモニターで観察しながら異状の有無を確かめます。

検診の流れ

  1. 検査当日、朝食を摂ったり、ものを食べたりしてはいけません。
  2. 検査では初めに胃の内部を綺麗にする消泡剤を飲み、痛みを和らげるため、鼻の内部をスプレー剤で麻酔します。
  3. 内視鏡を挿入し、検査を実施します。
  4. 検査中に異状部位があった場合は組織を採取することがあります。
  5. 検査中や終了後に結果を知ることができます。

 

カプセル内視鏡検査

胃や大腸の検査を行っても、異状を見つけることができない時、カプセル内視鏡検査を行います。
小型のカプセル内視鏡を飲み、食道から大腸までの消化管粘膜を撮影し、記録した画像を観察して異状の有無をチェックします。排出まで約5時間かかります。カプセル内視鏡は使い捨てします。

検診の流れ

  1. 検査前日の夜に下剤を服用します。
  2. 検査当日、朝食を摂ったり、ものを食べたりしてはいけません。
  3. 腹部に小さな弁当箱大のデータレコーダーを装着してカプセル内視鏡を飲み、検査を実施します。
    ※検査の設定は病院で行い、検査終了後にデータレコーダーを取り外しに病院へ来院するのが一般的ですが、施設により異なります。
  4. カプセル内のカメラが体内を撮影し、画像はデータレコーダーに転送されます。
  5. 検査終了の 2時間後から水の摂取、4時間後からは食事も可能です。
  6. およそ8時間後に来院し、データレコーダーを回収します。
  7. 数日後に検査結果が送られてきます。

 

胃がんリスク検診(ABC検診)

胃がんを見つける検査ではありません。血液を採取し、胃がんになりやすい状態かどうかをA~Dに分類して評価する新しい検診法です。ヘリコバクターピロリIgG 抗体(Hp抗体)検査でピロリ菌感染の有無を、ペプシノゲン(PG)検査で胃粘膜萎縮度を調べます。

Aタイプ : ヘリコバクター・ピロリ菌の感染がなく、胃粘膜に問題ありません。
Bタイプ : ヘリコバクター・ピロリ菌の感染がありますが、胃粘膜の萎縮はない、または軽い状態です。
Cタイプ : ヘリコバクター・ピロリ菌の感染があり、胃粘膜の萎縮を認めます。
Dタイプ : ヘリコバクター・ピロリ菌の感染はありませんが、高度に胃粘膜の萎縮を認めます。

ヘリコバクター・ピロリ抗体検査
陰性(-) 陽性(+)
ペプシノゲン検査 陰性(-) Aタイプ Bタイプ
陽性(+) Dタイプ Cタイプ

検診の流れ

  1. 血液を採取します。
  2. 後日、検診結果が送られてきます。

 

胃がん検診の結果について

知っておきたい

結果は、検査後にまとめて送られてくるのが一般的です。
「精密検査が必要」と書かれていたとしても、「精密検査」=「がん」ではありません。「念のため」に詳しく検査をしませんか、と言う意味ですので、怖がることなく早めに医療機関を受診しましょう。
異常のなかった方も、がんの早期発見のため、定期的ながん検診をこれからも続けていくことが大切です。

 

胃がん検診でわかるおもな病気

  • 胃がん
  • ピロリ菌感染など

出典:YOUR DOCK編集部(検査一覧に戻る