[archive]今日から使えるカルシウムの正しい知識と手軽な摂り方

管理栄養士執筆 / 執筆 : FRONTEOヘルスケア

骨や歯の健康に欠かすことのできないカルシウムは、体内で一番多くて大切なミネラルです。しかし、体内で作り出すことはできないため食品からとる必要があります。今回はカルシウムの働きや摂取する際のポイントをお伝えします。
 

 
最も親しまれているにもかかわらず不足しがちなミネラルの代表「カルシウム」。不足しがちな理由はカルシウムの性質にも秘密があります。効率よく摂取するためのポイントやどのくらい摂取すればよいのかなど、カルシウムについて分かりやすくお伝えしていきます。

 

そもそもカルシウムとは?

カルシウムは私たちの体を構成しているミネラルの1つで、体重の1~2%に相当します。体内のカルシウムの99%は骨・歯に存在し、残りの1%が血液などの体液や筋肉中に存在し、心臓や神経、すべての筋肉が正常に収縮するのを保つ働きをしています。魚や海藻、乳製品、大豆製品に多く含まれています。

 

1日に必要なカルシウムの量は?

日本人の食事摂取基準(2015年版)によると推奨量は1日の必要量は成人男性で650~800mg/日、成人女性で650mg/日です。しかし、厚生労働省の国民健康・栄養調査(H27年版)によると、カルシウムの摂取状況は、男女ともに各世代で不足しています。この不足の状況は近年始まったことではなく、ここ10年を見ても一度も上回った年がないのです。推奨量まで150~200mg不足しがちなので、毎日カルシウムが多い食材を意識することが大切ということがお分かりいただけるかと思います。

 

カルシウムの多い食品は下記のようなものがあります。

・乳製品…牛乳・チーズ・ヨーグルト
・魚介類…しらす・いわしの丸干し・ししゃもなどの丸ごと食べることのできる小魚・干し海老
・海藻類…わかめ・ひじき
・大豆製品…納豆・豆腐・厚揚げなど
・緑黄色野菜…小松菜・ほうれん草・モロヘイヤ・かぶの葉など

 

例えば、牛乳200ml(230mg)、プロセスチーズ1切れ20g(130mg)、小松菜1/4束(140mg)、木綿豆腐100g(86mg)、しらす干し大さじ1(26mg)、納豆1パック(45mg)を食べると1日分の推奨量をとることができます。

 

この中でも特に乳製品は吸収率が良いので、効率よくカルシウムがとれる食材です。ただ、牛乳やチーズなどの乳製品ばかりになるとカロリーや脂質のとり過ぎにつながるので「色々な食材からまんべんなく」がポイントですよ。炭水化物やお肉メインの食事が多い方は特に不足しやすいので、副菜や汁物に海のものや大豆製品を加えてカルシウムを補っていきたいですね。魚や乳製品が苦手という方はサプリメントを活用するのも良い方法ですよ。

 

カルシウムによるからだへの効果

カルシウムは不足すると、骨の形成が阻害され、歯や骨がもろくなりやすくなります。成人では骨軟化症、骨粗鬆症、子どもではくる病の原因になります。特に女性は閉経後、女性ホルモン(エストロゲン)が減少する関係でカルシウムが吸収されにくくなるので、骨量が減りやすくなります。若いうちからしっかりカルシウムをとっておくことが、年齢を重ねても丈夫な骨を維持する秘訣です。授乳中もエストロゲンの分泌が減るので注意しましょう。

 

また、神経系とも関わっているのでイライラしやすくなり、精神が不安定になることもあります。「寝る子は育つ」と言われるように寝ている間に体内への吸収が促進されるため、十分な睡眠も大切です。成長期のお子さんは必要量も成人より多くなっているので(12~14歳男子:1,000mg/日、女子:800mg/日)、しらすやちりめんじゃこをご飯にのせたり、カルシウムの吸収率がよい乳製品を間食に加えたりして、しっかりとるようにしたいですね。

 

カルシウムを賢く摂取できるおすすめレシピ

カルシウムの吸収率を上げるには、ビタミンDを摂取するのが効果的です。しいたけなどのきのこ類や卵黄、バターなどに多く含まれますが、外に出て日を浴びることでビタミンDを体内で作ることができます。魚も骨ごと食べないとカルシウムがとりにくいので、骨までやわらかく煮たり、骨せんべいにしたりして骨も食べるように工夫するのもオススメです。

 

(1)きのこのミルクリゾット
カルシウムの多い牛乳に、ビタミンDの多いきのこ類・バターを加えることでよりカルシウム吸収を助けます。粉チーズや溶けるチーズなどをさらに加えると、より多くのカルシウムを摂取できコクも加わって濃厚な味になります。お好みでベーコンやウインナーを加えるのもおすすめです。

《材料》
ご飯…茶碗1杯
お好きなきのこ(しいたけ、しめじ、まいたけなど)…好きなだけ
玉ねぎ…1/4個(荒みじん切り)
牛乳…100cc
コンソメ…固形1/2個 or 顆粒小さじ1
バター…小さじ1
塩コショウ…適量
パセリ…適量

《作り方》
1. バターで玉ねぎをしんなりするまで炒め、炒まったらきのこも加えしんなりするまで炒める。
2. 牛乳、コンソメを加え溶けたらご飯を加え弱火で2・3分程度炒め煮をする。
3. 水分が少なくなってきたら塩コショウで味を整え、お皿に盛りパセリを振りかけ完成。

(2)カルシウムたっぷりお浸し
小松菜、油揚げ、しらすとカルシウムの多い食材を組み合わせることで、効率よくカルシウムをとることができます。日持ちもするので、常備菜としてもお弁当のおかずにもおすすめです。冷凍保存もできるので、多めに作りストックおかずにするのも良いでしょう。

《材料》
小松菜…1袋
油揚げ…1枚
しらす干し…小さじ1
めんつゆ(2倍濃縮)…50cc
水…200cc

《作り方》
1. 油揚げは熱湯をかけ油抜きし、食べやすい大きさに切る。小松菜も食べやすい大きさに切る。
2. 鍋にめんつゆ、水を入れ 1 の材料も加えてくたっとするまで煮る。
3. 火を止め、仕上げにしらすを混ぜる。

 

最後に

体の様々な働きに関与する重要な栄養素のカルシウム。カルシウムは不足しがちな栄養素ですが、普段の食生活に取り入れやすい食材が多くあります。是非、毎日の食生活に積極的なカルシウム摂取を心がけてみてください。

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参考資料

  1.  日本人の食事摂取基準(2015年)
  2.  五訂増補食品成分表
  3.  改訂版 栄養の教科書 中嶋洋子 著
  4.  日本栄養士会HP

出典:KENKO JIMAN編集部(管理栄養士執筆:NS Labo)