[archive]今日から使えるカリウムの正しい知識と手軽な摂り方

管理栄養士執筆 / 執筆 : FRONTEOヘルスケア

濃い味が好き、何にでも調味料をかけてしまう、インスタントや加工食品などを食べる頻度が多い、このような食生活をしている方が気をつけたいのが塩分の過剰摂取。そんなとり過ぎた塩分を排出する役割をもった栄養素がカリウムです。今回はカリウムの働きやどんな食材に含まれているのか、おすすめのレシピなどをお伝えしていきます。
 

 
日本はもともと漬物や煮物、味噌汁など塩や醤油・味噌など塩分の多い調味料を食事にとり入れてきました。それに加え近年、食の多様化が進み、ラーメン、インスタント食品、ファーストフードなど、ますます減塩するのが難しい環境にあります。そんな現代の食環境に欠かせないのがカリウムです。今回はカリウムを効率よく摂取するためのポイントやどのくらい摂取すればよいのかなど、カリウムについて分かりやすくお伝えしていきます。
 

そもそもカリウムとは?

カリウムは細胞内に多く存在し、生命を維持するうえで欠かすことのできない大切なミネラルの一種です。カリウムはナトリウムとの関わりが深く、細胞の浸透圧維持・調整に働き体内の水分調整を行います。ナトリウムが増えすぎた際には排出も手助けします。広く食品全般に含まれていますが、とりわけ野菜やいも類、果物に多く含まれています。
 

1日に必要なカリウムの量は?

日本人の食事摂取基準(2015年版)によるとカリウムの摂取目安量は、成人男性2,500mg/日、成人女性2,000mg/日とされています。糖尿病や高血圧など生活習慣病を予防するためにはより多くのカリウムが必要となり、男性が3,000mg/日、女性が2,600mg/日以上の摂取が好ましいと言われています。2015年に改定された最新の指標では、新たに6~17歳も予防のため目標量が設定されました。

このように積極的なカリウム摂取をすすめる背景には、日本人の塩分のとり過ぎがあります。減塩ももちろん大切ですが、日本人の食環境で国が定めるナトリウム(食塩相当量)の目標量【男性8.0g/日未満、女性7.0g/日未満】に抑えるのはなかなか難しいため、カリウムを積極的にとっていくことが大切になってきます。国民健康・栄養調査(H26年版)によると、カリウムの摂取状況は、女性は目安量をクリアしていますが、男性は目安量にあと少し届いていないという結果でした。

例えば、里芋2個(512mg)、ほうれん草1/4束(552mg)、アボカド1/2個(504mg)、切り干し大根10g(320mg)、納豆1パック(330mg)、バナナ1本(324mg)をとると男性の1日に必要なカリウムの目安量がとれるのですが、目標量の3,000mgとなると野菜やいも類、果物を積極的にとらないとなかなか難しい量になります。魚介類、肉類にも100gで500~200mg程度のカリウムがとれるのも多くありますので、主菜となるタンパク質源を毎食しっかりとること、トマトや小松菜、ブロッコリーなどカリウムを多く含む緑黄色野菜を意識して食べることも大切です。

特に外食やインスタント食品をはじめとする加工品の利用が多い方は、塩分のとり過ぎになっているので、目安量ではなく一つ上の目標量を目指して、カリウムをとる必要があります。カリウムは加工の段階で失われやすいミネラルでもあるので、加工品の利用頻度を減らすことも考えたいですね。
 

カリウムによるからだへの効果

私たちの体はナトリウムが過剰になると、浸透圧が上がり血圧が上昇します。このときにカリウムが充分にあると、余分なナトリウムを排出してくれます。つまり、食事から塩分を過剰にとった時には塩分の排出を手助けしてくれるのです。このときカリウムも一緒に出て行ってしまうので、塩分が多いものを食べるときは野菜も一緒にとるようにするなど工夫ができるといいですね。また、ナトリウムによる血圧上昇を抑制することから、高血圧予防としても働き、他にも神経伝達、筋収縮、ホルモン分泌などに関わっています。

通常の食生活では欠乏症は起こりませんが、高血糖や糖尿病で尿量が増えるとカリウム排泄が増加して体内量が不足します。また、夏場など汗を大量にかいたときもカリウムが出て行ってしまい、夏バテの原因にもなるので注意が必要です。逆に、体内のカリウム量を一定に調整しているのが腎臓であり、腎臓の機能が低下し、尿の排泄が難しくなると過剰症である高カリウム血症になります。疲労感、精神障害、不整脈などの症状にとどまらず、死に至るケースもあります。腎機能が低下している時は主治医の診断を仰ぐようにしてください。
 

カリウムを賢く摂取できるおすすめレシピ

特に多くのカリウムが含まれる食材をご紹介します。

野菜・いも類…ほうれん草・枝豆・春菊・きゅうり・サツマイモ・じゃがいもなど
果物…バナナ・アボカド・干し柿など

その他にも納豆、きな粉などの大豆製品にも多く含まれます。

野菜全般にカリウム量は多いのですが、熱や水に弱いため生野菜のサラダを食事に加えるだけでも手軽にカリウム摂取量を増やすことができます。加熱が必要な食材に関しては、味噌汁などスープの具材として食べることで水に流れやすいカリウムも上手に摂取することが可能です。

(1)簡単!!美肌♪アボカドのポテトサラダ♪
いつものポテトサラダにアボカドを加えることでカリウムアップ!レモンの酸味で減塩効果も期待できます。

(2)ほくほくの食感♪3種の根菜と里芋のみそ汁
里芋は下処理が難しいのがネックという方は、冷凍の里芋を使ってもOKです。少しカリウム量は減ります手軽にカリウムをとることができます。

 

最後に

いかがでしたか?

カリウムは身近な食材にも多く含まれ、特別な調理をせずに摂取できると思うと手間も掛からないので手軽ですよね。減塩も意識しながら、ご自身のライフスタイルに合わせ、上手にカリウムを食生活に取り入れてみてください。
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参考資料

  1.  日本人の食事摂取基準(2015年)
  2.  五訂増補食品成分表
  3.  改訂版 栄養の教科書 中嶋洋子 著
  4.  クックパッド, 『簡単!!美肌♪アボカドのポテトサラダ♪』
  5.  クックパッド, 『ほくほくの食感♪3種の根菜と里芋のみそ汁』

出典:KENKO JIMAN編集部(管理栄養士執筆:NS Labo)