[archive]今日から使える食物繊維の正しい知識と手軽な摂り方

管理栄養士執筆 / 執筆 : FRONTEOヘルスケア

健康や美容、ダイエットのキーワードでよく出てくる「食物繊維」。最近話題の腸の健康においても、食物繊維は欠かせません。体の中で様々な重要な働きをする食物繊維、みなさまはしっかりとれていますか?今回は現代の食生活では不足しがちな食物繊維についてお伝えしていきます。
 

 
食物繊維というと便秘解消というイメージがありますが、それだけではありません。食物繊維は炭水化物、脂質、たんぱく質、ビタミン、ミネラルに次ぐ“第6の栄養素”とも言われるほど重要視されています。今回はこの食物繊維について詳しくお伝えしていきます。
 

そもそも食物繊維とは?

私たちが口にする食品は胃や腸などによって消化、吸収されて利用されるものと消化されないものがあります。食物繊維とはその消化されないものの総称を言います。食物繊維は水に溶けない不溶性水に溶ける水溶性とがありそれぞれ働きが違います。
 
不溶性食物繊維は保水性があり、胃や腸で水分を吸収して大きくふくらみ、腸を刺激して蠕動(ぜんどう)運動を活発にして便通を促します。穀類、野菜、いも類、豆類、きのこなどに多く含まれています。水溶性食物繊維は粘着性があり、胃腸内をゆっくり移動するので、お腹が空きにくくなり食べすぎを防ぎます。海藻類、こんにゃく、果物などに多く含まれています。
 

1日に必要な食物繊維の量は?

日本人の食事摂取基準(2015年版)によると男性は20g以上、女性は18g以上(いずれも18歳以上)を目標量としています。ですが、実際のところ1日に摂取している量は男性15.4g、女性14.7g(平成27年度国民健康・栄養調査より)と目標量を下回っており、それだけ意識してとらないと不足しやすい栄養素であるといえます。中でも20~30代は摂取量が少なく、特に男女とも20代の摂取量は目標量よりも7g程度少なくなっています。近年の食の欧米化やご飯離れが食物繊維の摂取量を減らしているとも言われていますが、ダイエットのために食事量を減らしたり、ご飯を過度に抜くような食生活をしているとますます不足が心配されます。
 
食物繊維が豊富な食材ごぼう100g(10.3g)、おから100g(11.5g)、納豆1パック(3.4g)、乾燥ひじき10g(4.3g)、こんにゃく1/3枚(3.0g)、麦ごはん茶わん1杯(2.3g)などがあります。和食で使う食材が多いですね。白米を麦や玄米ごはんに変える、1日1回は野菜たっぷりの汁物を飲むなどできるところから始めてみましょう。

 

食物繊維によるからだへの効果

食物繊維は私たちの体の中で主に以下の4つ働きをしています。
 
1.腸内環境を整え、便秘の予防改善
腸内で発酵された水溶性食物繊維は腸内を酸性にして乳酸菌やビフィズス菌といった善玉菌を増やして腸内環境を整えます。不溶性食物繊維は水を吸収し、便を軟らかくし量を増やすことで排便が促され、からだに不要なものを排出してくれます。食物繊維が大腸がん予防に有効とされているのは、排便が促されることで発がん性物質が大腸に接触する時間を短くしているからと言えます。
2.血糖値の急な上昇を抑える
水溶性食物繊維の粘性により消化器官内の食物の移動が遅くなり消化吸収速度を遅らせます。その結果食後の急激な血糖値の上昇を抑えることができます。ご飯より先に食物繊維の豊富な野菜や海藻類をとることで糖尿病の予防にも効果的です。
3.コレステロールの吸収を抑制
水溶性食物繊維は小腸でコレステロールを吸着し便の中への排泄を促進します。脂っこいものを食べる前、揚げ物と一緒に食物繊維が豊富な食材も取り入れることで、気になるコレステロールのとり過ぎを防ぐことができます。
4.食べすぎによる肥満防止
食物繊維は膨張する特性があるので、胃の中の滞在時間を長くして満腹感を得やすくなります。そのため過剰なカロリーの摂取を予防できます。不溶性と水溶性の食物繊維どちらもとることによって、私たちの体に良い働きをもたらしてくれますので、組み合わせてとっていきましょう。
 

食物繊維を賢く摂取できるおすすめレシピ

常備菜としてストックしておくと簡単に食物繊維を補うことができるメニューを2つご紹介します。

(1)水煮大豆と鶏肉と野菜の煮物
根菜や大豆、こんにゃくといった食物繊維が豊富な食材が一緒にとることができます。煮る時間を短縮したい場合は、食材を大豆に合わせて小さめの大きさに切るのがオススメです。

(2)ひじきとおからのサラダ
使いにくいイメージのおからはレンジで簡単に調理できます。食材を下処理して混ぜるだけの簡単レシピです。ひじきを一度煮ることで、独特のにおいがとれるので食べやすくなります。ひじき煮を加えてもOKです。

 

最後に

食物繊維は肉や魚からはとることができません。3食きちんと食べようとするとなかなか難しいため、1日1食、意識をすることだけでも構いません。まずは食物繊維を意識したメニュー選びや食材選びから始めてみましょう。
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参考資料

  1.  日本人の食事摂取基準(2015年)
  2.  五訂増補食品成分表
  3.  食べる量が少ないのに太るのはなぜか 香川靖雄 著
  4.  おいしい健康, 『水煮大豆と鶏肉と野菜の煮物
  5.  クックパッド, 『ひじきとおからのサラダ』

出典:KENKO JIMAN編集部(管理栄養士執筆:NS Labo)